VIRGIN TOHO CINEMAS 六本木ヒルズで観てまいりました、ディープブルー。圧倒されました。映像業界の人間(特にそれなりに責任を任された立場の方)は必見です。色々な意味で考えさせられます。
まず最初に、未見の方には出来たら吹き替え版で観る事をお奨めします。僕は字幕で見てしまったんですが、映像主体の映画だけに激しく(と言ってもそもそもナレーションが所々にしか入ってませんので、配慮されてはいますが)邪魔です。吹き替えも津嘉山正種さんだし、品質は確かでしょう。DVDなどではなく、是非スクリーンで観て欲しいです。
久しぶりに思わず乗り出してしまう映画を観ました。冒頭のタイトルバックの波の描写から始まり、美しく、不思議で生々しく、また圧倒させられる映像が目白押し。決して押しつけがましくなく、事実は事実として淡々と描写、またある時はリズミカルで情熱的に、またある時はきっちりと編集と音作りで演出が施され、あっという間の90分だった。仕事柄どうしても「これ一体どうやって撮ったんだ」と思うような映像ばかり。7年掛けて撮ったと言いますが、ここまでの情熱、根気、またチーム全体の体力を維持するのは並大抵の事ではなかったと思います。
大体フィルムで撮影されてるのが信じられない。フィルムと言うのがVTRに比べて一番違う所は、全てが「先付け」が前提だと言う事。意図を後付けした映像はフィルムでは却って困難であり、通常撮る(フィルムを回す)事そのものが躊躇われるものです。この感覚はデジカメと銀塩の差で置き換えて考えると分かり易いでしょう。しかしながら自然を相手にする限り、有る程度の当たりは付けられても、到底、先付け出来るものでも無いです。しかし、しっかりとコンセプトを持って肝心な所はスロー(高速度撮影)で回されてますし、当然ワンカメではないでしょうが、細部に渡るまであくまでおいしい絵作りを意図していた所に感心しきり。学者が資料映像として撮ったものとは違い、きちんと意図を持って、「魅せる」為の絵作りが行われ、そしてそれこそが画面に直接現れない、ある種の説得力と観客への体験を与えていました。すごい......。フィルムで撮影される事の意義をまざまざと見せつけられた感じです。
正直これだけのものを見せられると、アニメなんぞをしこしこ作ってるのがいささか馬鹿馬鹿しくなります。自分の仕事自体は誇りを持って当たってますし、自分なりに常に意図を持って「先付け」と「偶然」から生まれるコラボレーション的なアプローチ、そして何より鑑賞者に対して「想像力を刺激する作品作り」を心掛けていたりしますが、ここまで完璧にやられると自信喪失。時間、予算、そしてそれを掌中にするだけの説得力、制作を持続する精神力、それを許す環境、お国柄、etc.etc.......。圧倒されつつも鑑賞しながら、それらが頭をよぎって離れません。環境、お国柄と言う事に対して。こう言った映像は国内では NHK 当たりは確かに頑張ってはいますが、スケールと表現しようとしている作品意図(テーマ)の強さ、完成品の価値に対する自信のレベルが違います。これはこう言った作品が必ず評価される、と言う地場が有っての事でしょう。日本はいずれコンテンツカルチャーを主要な輸出産業にして行く事になるだろう、と方々で聞きますが、まだまだ先は長い。未だにサブカルチャーの域を出ず、それの尻馬に乗っているレベルでは現状は打破出来ない。むしろ個人的には退行しているようにしか思えない。......とこれ以上書くとどんどん毒吐きになりそうなので、この辺にしておきます。ともあれ、圧倒され落ち込むと共に、明日から何かを一つ一つ変えて行かねば、と言う思いに駆られ、また勇気づけられた作品でした。
褒めちぎってきましたけど、一点だけ不満点。ラストのナレーションコメント、あれは戴けません。これだけの映像を用意出来たなら、あれは冗長でしかないと思う。ただただ圧倒的な絵を事実と言うオーラを纏いながら観客に見せつけ、そこから生まれる様々な感情は観客に委ねられたなら、それで良かったんじゃないだろうか。あのナレーションは有っても無くても琴線に触れない人には触れない、むしろ嫌気を催す可能性も孕んでいたように思い、非常に残念だった。あと、本編後、少し休憩挟んで、最後にメイキング映像が10分ほど流れましたが、あれもしょぼいので見ない方が良いです。却って観賞後の気分、台なしって感じでした。
それにしても六本木ヒルズ森タワー、恥ずかしながら今回初めて行きましたが、どうも案内関係が分かりづらいし、客の導線がきちんと引かれてない印象。いちいち“おされ”だけど、分かりにくい事この上ない。地下駐車場も入る際、車体サイズを測るのに異様に時間掛けてましたが、アレ、混雑時間もあんな事してるんでしょうか。まあ、ほんの一部しか見ていないので、その部分だけなのかも知れませんが、正直、本質的なデザインレベルの低さを感じました。
ともあれ、しつこいようですが興味の有る方は是非、劇場で観て下さい。ビデオやDVDでは「伝わる物」がかなり違ってくると思います。
[同日追記]
ああ、一つ書き忘れましたが、 PADI のライセンス持ってる人は200円ぽっちですが割引になるらしいです。Cカードを持って行きましょう。僕は忘れました。つか知らなかったっす。何か最近、 PADI あちこちで出資してんなぁ......儲かってんだろか......。こんな所で金使ってないで、インストラクターの登録更新料とかもっと安くしてやりゃ良いのに......ただでさえ過酷な商売なんだから......。
Posted by at 02:21
▼1年前はこんなこと書いてました...▼