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2004年01月03日 (土)

CategoryImage続、ラスト・サムライ

「ファインディング・ニモ」と一緒に漸く観てきました...。正直、期待し過ぎたかも。ガッカリとまでは言いませんが、これはシナリオに問題有りだと思います。(つづきはネタバレ注意)

確かに映像や日本家屋の撮り方、生活風景も(正確な時代考証はともかく)よく研究していて、テレビの時代劇程度には観れます。そこに関しては「あれれ?」と思う事が有っても目をつぶれる程度です。話の流れも無理はなく、トム・クルーズ扮するオールグレン大尉が戦いに疲れ、自分のトラウマを日本人とその精神に触れる事で、溶かして行くと言う本筋自体は良いと思います。ただ、基本的なテーマとして「武士道」やら「侍」やらを持ってきた物の、所詮はカタカナの「サムライ」、ファッションでしかなかったと言うのが正直な所。これだったら単純にアクション映画として撮ってくれれば良かったのに...。欧米人がこれに喜ぶのは判るような気がしますが、日本人が手放しで喜ぶのはなんだかなぁ、と思ったり...。

何かで観たな、この感じ、と思ったんですが、「スターウォーズ」ですね、これは。

「スターウォーズ」はたぶんに東洋的な精神思想をフォースと言う、さらに東洋人にとっても曖昧な架空の単語でごまかしてる所がうまかったんですが、それが「武士道」を描くからにはそれなりの設定と時代考証の徹底は絶対条件だと思いました。例えば図式としてアナログとハイテクの戦いに終始する部分を、文化、思想の移り変わりに照らして表現しようとするのは、簡潔で分かり易い反面、普遍的な精神を描くには見込み違いで、浅く、逆効果になってると思います。時代的な趨勢も描きつつ、渡辺謙扮する勝元軍勢の意志を描くには、ハイテク対ローテクの図式ではテーマがぼやけてしまってます。しかもそれが時代考証的に考えると事実と離れて感じ、作り手の意図を感じるだけに底の浅さが伝わってしまう。「武士道」やら「侍」やらに説得力を持たせる為の、日本の描き方が今までになく徹底しているだけに、そのプロットの弱さが実に痛い(もったいない)です。もっと勝元の意志を明確に、原田眞人演じる大村があんな安っぽい実業家でなく、日本の将来を別な形で憂える志士として描けていたなら、もっと違う映画になる可能性が有ったのではないかと思い、非常に残念でした。
あと、あんまり本質的な所とは関係ないですけど、勝元との初戦の森の中、ラストの合戦シーン、日本ではないですよね...。ちょっと違和感有ったなぁ...。

ともあれ、映像、役者共に非常にがんばってます。渡辺謙、真田広之、小雪、原田眞人、トム・クルーズ...特に天皇役の中村七之助が良い。シナリオに関して散々言いましたが、天皇の描き方は日本人、また、天皇の立場をかなり正確に描けており、好感が持てました。渡辺謙、助演男優賞、取れると良いなぁ...。

極個人的な感想としては、良い所も沢山有るんですけど、今一歩及ばず、次回に期待、と言う所でしょうか。あんまりこういう言い方は好きじゃないですけど、これから観られる方には「アクション映画」と思って観る事をお勧めします。こちらの観る姿勢次第で十分に楽しめる映画です。
ともあれこの映画に触発されて、今後フラットな目線から日本も描く風潮が期待出来るのは、大変の前進ではないでしょうか。と言いつつ、今までのいい加減で「奇妙な果実」チックなB級テイストも好きですけどね。

Posted by at 18:23


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