E-WA'S BLOG 経由、「人権擁護法案について(デスノート風)FLASH版」。すっかり世間と隔絶した生活を送っているので、こんな事になっているなんてちっとも知らなかった。
この法案についてはまだよく分らない部分があるので、ノーコメント。ただ、「差別」に対して以前から疑問に思っていた事があったので、この機会にちょっとだけ書いてみます。以下に書く事はこの法案のことをきっかけに書き始めることではあるけれど、是非とはまったく関係のない事なので、もし、この法案に対する話題を求めてこの記事を開いた方はスルーして下さい。
こう言った表現の規制や言葉狩りをする前に、なぜ、もっと広く「差別」の事を議論する、或いは考える場が無いのだろうか。規制などする前にもっとやるべき事ってあるんじゃないだろうか。単純に思い浮かぶ所だと、学校教育、しかも義務教育の一環にこう言った事を真摯に突き詰めて考える場って残されているのだろうか? 所謂僕らの時代の「道徳」、今で言う「生活科」?って、そう言う事を考える場では......ない? そもそもが「なんかヤバイらしい」「言っちゃまずいらしいよ」的な「臭い物に蓋」意識しか生まないのだとしたら、いくら表現や言葉を狩っても無意味なんじゃないだろうか。
こんな事を思ったのはちょっと前に、ふとしたきっかけがあったから。今、一緒に仕事をしている連中と話していて、ジェネレーションギャップに気付いた。80年生まれ辺りを境にして、「ロンパリ」と言う言葉を知らなかったからだ。ロンパリと言うのは斜視の方を揶揄して表現した言葉と言う事になっている。現在では放送禁止(正確には「放送には適さない言葉」として自主規制の対象となっている)用語の一つだ。僕個人では揶揄を目的として使った記憶が無い(小学生くらいの頃ならあったかも知れない)し、単なる外見を表現した愛称程度のニュアンスの意識しかない。それこそが差別意識だと言われればそうなのかも知れないが。ともあれ、それが本当に斜視の方を傷つける言葉なのだとしたら、狩られたことには意味があるし、死語になって良かったのかも知れない。しかし、疑問に思ったのは言葉そのものに対してより、僕がその時その言葉の意味を話して聞かせた連中の反応だ。一様になにか“まずいもの”でも見るような、或いは“聞いてはいけない話”を聞くような顔をしている。これがはたして差別排除と言えるのだろうか?
こう書くと斜視の方はあまり良い気持ちはしないだろうけど、「斜視」は「斜視」だ。ただそれだけの事であって、当たり前のことだけど、差別とはそれを見る他人の意識の問題に過ぎない。「ロンパリ」と言う表現が揶揄、或いは差別的言葉に当たるなら、その言葉が生まれた背景、発する時、心に湧き上がる意識を差別者、或いは社会は見つめる必要がある。ただ言葉を狩るだけでは、また別の差別意識を生むだけであって意味がない。
前にもここで書いたけれど、うちの甥っ子は先天性四肢障害で、同じ年ごろの子供の半分しか足の長さがない。装具を付ける事で漸く二本足での歩行が出来るようになってきたけれど、不自由には違いない。しかし、それも「不自由」は「不自由」だし、敢えて言うなら「片端」は「片端」だ。彼の人間性を微塵にも否定出来るものではない。影響は大ではあろうけど、それも含めて彼と言う人間を作って行く事になる。恐らく彼のこれからの人生に於て、彼の足のことが発端で傷付く事は山ほどあるだろうし、現に、徐々にではあるが周りの子供たちも彼が「自分たちとは違う」ことに気付き始めている。子供は配慮と言うものが無いから物言いもストレートだ。甥っ子自身もそれにある種の抵抗を覚え始め、態度に露にする場面を目にする事も多くなってきた。色々な言葉に耳を傾け、決して目を逸らさず、一つ一つを良く考え、強く生きて欲しい、と願うばかりだ。
件の法案は、こう言った根本的な差別意識や、それにまつわる問題とは別な力学で動いているらしい。問題のすり替えになるかも知れないけれど、誤解を恐れず敢えて書くなら、僕個人は人間が社会的動物である限り、己とは異なる存在に対する意識、或いは社会的に異質な存在を排除して行こうとする“本能”からは逃れようが無いと考えている。けれど、そこで留まってしまうのだとしたら、もはやそれは人間ではないとも思う。性質的な問題(不完全さ)を抱えながら、真摯に向き合い、より良き道を探るのが人間の叡知であると思うから。もちろん「解決」などあり得ない事だと思うけれど、相対的に(今よりもっと)差別意識の少ない世の中を構築して行く事は可能な筈だ。それに対して前に進む力を我々は与えられていると信じたい。
余談になるけれど、最近では「チビ」も“放送に適さない言葉”に当たる。言われてみればかつて普通に目にしていた、「チビッコランド」だの「ちびっ子広場」だのの表記を見ないような気がする。僕は正直言って行き過ぎのような気がしてならないのだけれど、皆さんはどう思いますか?
Posted by at 08:44
▼1年前はこんなこと書いてました...▼