たまたまチャンネルを回して(って、回さないよね、今は)観る事が出来た。「ムーミン パペット・アニメーション」は、ポーランドとオーストリアの合作アニメーションで今回はその一部をOAしたようだ。僕が気付いた時にはもう半分も過ぎた頃だったので、劇場公開された分からの抜粋だと思われる。どうせならシリーズでOAしませんか?>テレビ東京さん。そしたらずっと買い控えていたHDDレコーダーを買ってしまうかも(笑)
残念ながら途中から観た。でも、以前から観たいと思っていて機会を逃していたので、少しでも観る事が出来て良かったと思う。動きやモンタージュはともかく、美術と色彩がやはり素晴らしい。特に草木の描写。原作ファンとしては、トーヴェ・ヤンソンの挿し絵そのままの情景を観る事が出来て、うれしかった。この辺はシステム化された日本のテレビアニメーションの制作現場では難しい所だな、と思う。お国柄による感覚の違いとか、フィルムで撮影されている所為も有るけれど、調和の取れた、どことなく寂しさを感じさせる色合いは、まさに北欧文化の産物であり、トーヴェ氏のイラストそのもの。うーん、迷っていたけれど、やはりDVDボックスを購入する事にしようかな。
それと日本でのアニメーション化の際、初代ムーミン・トロールを演じていた岸田今日子さんが、一人語りでナレーションと全ての役柄を演じておられた。後からとは言え、原作を読んでたちまちヤンソン信奉者になってしまった僕にとって、初期のアニメーションシリーズは決して印象の良いものではない。だからどこかで岸田今日子さんのムーミン像と言うのは、自然と僕の中では「なかった事」になっていたけれど、この作品の吹き替えを観て感心してしまった。やはり役者としてはただ者ではないな、と考えを改めさせられました。なんと言っても役柄の演じ分けがしっかりしている。そのくせ、しっかりと「岸田今日子」的声の世界を展開していて、それが、メルヘンチックでありながら、どこかうら寂しい空気の漂っているこの作品にぴったりとマッチしていた。初代ムーミンと言うお仕事は有る意味、彼女にとっては不幸だったかも知れないな、と思い直した。作品に触れるきっかけとしては良かったかも知れないけれど、あれは似て非なるものであるから、イメージとしては決して良くない。但し、第1シリーズ(東京ムービー制作)と第2シリーズ(日本アニメーション制作)の間に虫プロが制作したシリーズが数本有り、恐らくトーヴェ氏のクレームからだと思うけれど、それはかなり原作の空気を忠実に再現していたと思う。こどもが怖くて泣いちゃうような絵だったけれど(^^; 日本であの時代にあれをOAし続けたなら、たちまち打ち切りになっていただろうから、製作者側の判断としては正しかったとは思う。
ああ、また原作が読みたくなってきました。もう、何十回と読み直しているけれど、その度に新しい発見と、不思議な安定を僕にもたらしてくれる。残念ながらトーヴェさんは2001年に亡くなってしまったけど、第二次世界大戦から21世紀まで、激動の時代を絵や童話、小説を通して芸術表現を突き詰め、それでありながら「奪う芸術」でなく「与え続けた人」。一度お会いしておきたかった。
ムーミン パペット・アニメーション DVD-BOX (通常版)Posted by at 04:29
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